賃貸経営している不動産を所有している場合、相続によって土地や建物だけではなく、家賃収入として貯まっていた現金までも相続税の評価対象となります。子供に生前贈与しておくことで、家賃収入を相続税の支払いのために充てることができます。
■相続時精算課税制度
相続時精算課税制度を利用すると、2500万円までの贈与は非課税となり、2500万円を超えると一律で20%と、通常よりも低い税率で贈与税が掛かります。相続時精算課税制度の対象となるのは、贈与者側は60歳以上の両親や祖父母です。財産をもらう受贈者側は、20歳以上の推定相続人となる子供と孫です。
相続時精算課税制度を利用すると、小規模宅地等の特例が利用できません。相続では不要な不動産取得税が必要となり、登録免許税は相続では0.4%であるのに対して、贈与では2.0%となります。また、暦年課税での年額110万円の非課税枠も使えなくなります。しかしこうしたデメリットを考慮しても、相続税対策として有効なケースが多いためメリットがあるか検討してみましょう。
■収益不動産の贈与では相続時課税制度は有利
アパートやマンションなど収益不動産の相続では、相続税対策として生前贈与を行なうことで、家賃収入を貯めていたら課される相続税を支払わずに済むことになります。若いうちに生前贈与を受けることで、家賃収入を将来の相続税の支払いのために、貯めておくことが可能です。
さらに、現金や有価証券で資産を保有している場合に比べて、不動産では相続税の評価額が土地は路線価で評価されるため、時価よりも80%程度に下がり、建物の評価も固定資産評価額同額で70%程度です。アパートやマンションなど賃貸経営を行なうことで、借地権割合や借家権割合によってさらに不動産の評価額が下がります。
現金で資産を保有している人は、アパートやマンションといった不動産を建てて生前贈与を行なうことも、相続税対策として有効です。収益不動産の生前贈与を相続税対策として成功させるためには、立地条件や周辺の賃貸物件のニーズをつかみ、確実に収益が見込める物件とすることが大切です。







