相続税対策として生命保険の利用では、失敗するケースもみられます。子供を契約者としても、支払い方法によっては贈与とみなされること、生命保険は受取人の財産とみなされることを知らないと、相続税対策の失敗を招きます。
■生命保険で適用される税金は
年間110万円までの贈与税の非課税枠を使って、子供名義の銀行の口座に入金する場合、通帳や印鑑を贈与する側が管理すると、相続税対策が失敗となる可能性が高まります。しかし、その銀行の通帳や印鑑を渡すと、受け取った子供の無駄遣いが危惧されるため、相続税対策として、子供が自分で使うことのできない生命保険に入るという方法がとられます。
相続税対策での生命保険を使った贈与での失敗例として、子供を契約者とし、親や祖父母が被保険者として保険料を支払い、子供を受取人としているケースが挙げられます。生命保険は保険料を支払った人の財産とみなされますので、子供を契約者にしても贈与税が発生し、相続税対策としては失敗になります。相続税対策としては、保険料を支払うお金を贈与し、子供自身が保険料を支払うことが失敗しないポイントです。自動引き落としのタイミングに合わせて、子供の通帳に振込みをすることで、子供が他の目的でお金を使うことをある程度防ぐことができます。
ただし、子供が支払う形をとっていても、両親や祖父母が、年末調整や確定申告で生命保険料控除を利用してしまうと、実質的な支払い者とみなされ、相続税対策が失敗となります。
子供が保険料の支払い者で保険金を受取った場合には、保険金から支払った保険料と50万円を引いた額の1/2が一時所得として、所得税が発生します。税金が掛からないと勘違いしている人も多く、見込み違いで納税できないケースもありますので注意しましょう。
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生命保険は、相続人1人当たり500万円までの非課税枠を利用した相続税対策にも使われます。生命保険金は相続税の対象となるものの、原則として受取人の財産とみなされることを知らないと、相続税対策を失敗することがあります。相続税対策の失敗を防ぐためには、遺産分割の配分や遺留分の算定では、生命保険金は含まれないことを理解しておきましょう。
例えば、父親が亡くなり、子供2人が相続人の場合、相続税の基礎控除額は4200万円で、生命保険の非課税枠は2人分で1000万円です。3500万円の自宅を長男、1000万円の生命保険金と200万円の現金を次男に遺すと、財産の総額では4200万円を超えますが、非課税で相続できます。このとき、保険金を含めて相続財産を計算すると4700万円ですので、遺留分の1175万円を弟の相続分は超えていますので、問題ありません。しかし、保険金は受取人の固有の財産と考えると、自宅と現金を合わせた3700万円の1/4にあたる925万円を遺留分として弟が請求する可能性があります。長男に遺す財産が減るだけではなく、長男に現金がなければ、弟への支払いのために自宅を売ることになり、相続税対策としては失敗です。
相続税対策での生命保険の利用を失敗しないように、支払い者によっては贈与とみなされることを理解しておきましょう。また,生命保険は受取人の財産となることを前提とした相続税対策とすることで、失敗を防げます。







