相続税対策で不動産事業を法人化のメリットとデメリット

相続税対策で不動産事業を法人化のメリットとデメリット

アパートやマンションの賃貸といった不動産事業・を個人で営む人の中には、相続税対策を目的に法人化するケースが見受けられます。不動産事業を法人化することのメリットはどこにあるのか、やデメリットは、どのようなことが想定されるか考えてみましょう。

■法人化によって、贈与税なしで生前贈与が可能に

相続税対策として、アパートやマンションの賃貸事業を個人で営む人が法人化し、株主を妻や子などの相続人に対して、賃料収入を役員報酬として支払うことが可能となります。複数の相続人を役員にすることで、一人当たりの役員報酬が減ると、所得税の税率は累進課税なので、相続税対策として有利です。また、代襲相続である場合を除いて、20%の相続税の加算がある孫に対しても、妻や子と同様に資産を移転することができます。

個人事業として不動産事業を営んでいた場合、賃料収入によって資産が増大すると、さらなる相続税の負担となるところを合法的な資産移転が可能となるのです。役員報酬の受け取りに所得税は発生しますが、贈与税を支払う必要がないので、現金を単に贈与する場合と比べて、有利となるケースが多いです。

■不動産事業の法人化のデメリットは?

相続税対策として不動産事業を法人化するデメリットは、事務手続きが煩雑なことと、法人化のための税金の支払いが生じることが挙げられます。法人の設立にあたっては、資本金や登記費用も必要です。

相続税対策で個人の不動産事業を法人化するにあたっては、土地は個人所有のままとし、建物だけを法人に譲渡する方法が有利なケースが多いです。譲渡価格は過去の申告の帳簿価格と同額でとすることで利益が出ないようにします。法人の買取資金は長期の分割での買取資金として、利息は支払われない契約を結びます。この場合借地権が発生し、地代や権利金が低額な場合は、課税される可能性があるため、借地の無償返還に関する届出書を税務署に提出しましょう。建物の譲渡にあたっては、建物の所有権移転の登記費用、不動産取得税などが掛かります。

また、借入をして不動産事業を行なう場合、法人化にあたって金融機関の審査が必要となりますので、難しいケースもみられます。

不動産事業の法人化にあたって、借入を伴って事業展開をしておらず、税金や登記費用などの支払いに問題がない場合には、相続税対策として法人化が有利なことが多いです。もし納税をしていないなど条件が伴わない場合でも、税理士などの専門家に相談してみましょう。