会社の相続税対策として不動産を取得し自社株の評価を下げよう

会社の相続税対策として不動産を取得し自社株の評価を下げよう

中小企業のオーナーにとって、自社株の相続によって多額の相続税が発生するのは、頭の痛い問題です。相続税の支払いが難しくても、自社株を売るのは困難です。そこで、中小企業のオーナーの相続税対策で、所有する会社の株式の評価を下げるための方法として不動産の取得が挙げられます。

■純資産価額方式では不動産の取得が相続税対策として有効

上場していない会社の相続税の株価の評価方法は、会社の規模や形態によって変わります。不動産の取得によって、会社の株式の評価額を下げられるのは、純資産価額方式を用いるときや併用されるときです。純資産価額方式とは会社の資産や負債を相続税評価で算出し、株価を算定する方法です。現金から不動産に会社の資産を変えることで、株価の評価額を下げることができます。

そのため、例えば現金で2億円を保有したいた場合、2億円の土地を購入すると、相続税の評価額となる路線価は市場価格のおよそ80%であるため、1億6000万円となり、相続税の評価を下げることができます。自社ビルを建てた場合には、建物は建築費用の約70%での算定となり、法人税では減価償却費の計上も行えます。

また、さらに有利となるのは賃貸マンションなどの収益不動産を建てるケースです。賃貸マンションを建てることで、貸家建付地としての評価となり、自社ビルよりも土地は15%程度の評価減を受けられます。建物も固定資産税評価額からの30%の評価減です。

■不動産取得による相続税対策で気をつけること

相続税の算定にあたって会社の株式の評価で、所有する不動産が相続税の評価額で算定されるのは、購入後3年を経過して以降です。それまでは実勢価格での評価となるため、不動産の購入による相続税対策にはなりません。株価の評価減のために不動産を取得する際には、早めの行動が望ましいです。

相続税対策として不動産を取得することで、賃貸不動産の運用では収益もあげられることもメリットです。現金として寝かせていくよりも、賃貸経営を行なうことで、財産を増やしながら相続税対策をとることが期待できます。