相続税対策での賃貸マンション購入で抑えておきたいポイント

相続税対策での賃貸マンション購入で抑えておきたいポイント

相続税対策として賃貸マンションを購入することで、相続税の評価額をおさえる手法がとられることがあります。収益物件として運用していくには、物件選びが肝心です。見かけ上収益が高い物件を購入して、思ったような収益が得られなかった結果、相続税対策にならず、財産を手放すことに陥らないためには、物件選びで抑えておくべきポイントがあります。

■長期間の空室リスクを考慮する

賃貸マンションを購入する場合、物件広告に利回りが表示されていますが、実態は空室があったとしても、満室時のものが記載されていることがほとんどです。中古マンションは築年数の経過とともに、メンテナンスを行なっていても空室リスクが高まっていく可能性があります。

周辺の賃貸物件の状況から空室リスクを予想し、事業収支を計算するときには、何部屋まで空室があっても黒字の収支となるのか、試算しておくことが大切です。

■将来の家賃下落リスクを踏まえる

周辺相場に比べて高い賃料設定の賃貸マンションでは、更新時に退居となるか、賃料の値下げ交渉が起こる可能性があります。退居となったときには、高い家賃設定では空室が長期化することが考えられます。また、利回りを算定するときには、どこまでの家賃の下落に耐えられるのかについても試算しておきましょう。

■現況を踏まえて修繕費用を算出する

同じ築年数の物件であっても、これまでどのようなメンテナンスをしてきたかによって、今後必要となる修繕費用に違いが出てきます。管理会社の管理の状況やこれまでの修繕履歴から、現況に即した今後の修繕計画を立て直し、修繕費用を計上していく必要があります。

■店舗等のテナントのある物件では現状を把握する

2階から上階は賃貸マンションで、1階はテナントとなっているケースがあります。テナントは住居部分とは契約形態が違い、保証料を預かっているケースがあります。退居時にはスケルトン状態にするか、現状のままにするのか契約書を取り寄せて確認しておきましょう。また、テナントが退居した際には、住居部分で一室が退居するよりも賃料収入のマイナスが大きい場合が多く、テナントの業態や営業状況から、退居する可能性について調査しておくことが望ましいです。

相続税対策として賃貸マンションを購入では、物件選びに失敗すると、何もしない方がよかったという結果を招きかねません。優良物件は買い手が早々につきやすいですが、慌てて物件を購入せず、相続税対策としての効果を得られるように、吟味することが大切です。