相続税対策で賃貸マンションを建てるときに、向かないエリアというものがあります。相続税対策で賃貸マンションを建てても、空室が多いと想定していた土地の評価の軽減が受けられずに失敗となる可能性があります。駅からの距離が近くでも、入居者が確保しにくいケースについてみていきましょう。
■若年層の人口が減少傾向にある
ワンルームや1Lの賃貸マンションを建てる場合、20代~30代の若年人口の少ないエリアは向いていません。区や市のホームページなどで、人口の推移が公表されているケースがあります。若年人口の減少が進むエリアでは、今後も人口の流入は少ないことが見込まれ、空室が続くリスクが高く、今は採算が合っていても将来、賃貸事業が失敗しやすいことが想定されます。
■分譲マンションの価格が安い
近隣の分譲マンションの販売価格から35年ローンでの返済額を出すと、分譲マンションを購入した人が賃貸に出した場合のおおよその家賃の目安が算出できます。オーナーが賃貸マンションを建築し貸し出す家賃よりも、分譲マンションを途中で貸し出す方が安い場合、そちらの安い部屋が埋まってからということになりますので、空室になるリスクが高いです。
■ペット物件には別のリスクもあり
立地条件が悪い場所で賃貸マンションを建てる場合、業者によってはペット可物件とすることを勧めるケースもあります。ペットと住みたいという需要は高く、駅から多少離れている程度の物件では、空室が埋まる可能性があります。
しかし、ペットを飼っている部屋は、賃借人のしつけやマナーによっては、尿などの臭いが強く残ることや室内のキズなどの原状回復に多大な費用がかかり、敷金では賄いきれないことあります。賃借人に請求できる費用ですが、支払いを巡ってトラブルになる可能性があるのです。
立地が悪いという理由でペット可物件とすることには、リスクがあることを認識しておきます。ペットを飼う場合、敷金を修繕費が賄える金額に想定しておくのが良いでしょう。
相続税対策で賃貸マンションを建てても、空室が多くては相続税の土地の評価額を下げるという本来の目的が失敗となるだけではなく、収益が悪化します。相続税対策で賃貸マンションを建てるときに失敗しないためは、将来に渡り賃貸需要の見込める立地かどうかを見極めることが大切です。