相続税対策では賃貸マンション経営がおすすめな理由

相続税対策では賃貸マンション経営がおすすめな理由

土地を有効活用するには、駐車場、コインパーキングやアパートという選択肢がありますが、その中でも、相続税対策と賃貸経営の両方の目的がかなう賃貸マンションがおすすめです。

■空室リスクが大きい借家経営

相続税では、土地は賃貸物件を建てると評価減を受けられますが、借家権割合と借地権割合、賃貸割合を掛けたもので計算されます。借家権割合は30%で、借地権割合は地域によって宅地では50~60%、賃貸割合は実際に賃貸契約をしている割合に応じます。そのため、借地権割合が60%のとき、賃貸物件が満室のときは18%の評価減を受けられますが、入居者がいなければ、賃貸割合に応じて軽減される率が低くなります。

例えば、30戸の賃貸マンションでは1室が空室になっていても、17.3%程度の評価減が維持できますが、10戸のアパートで1室が空室では16.2%、1軒の借家では入居者がいなければ、0%となってしまいます。

賃貸割合の算定は相続が開始された時点ですので、予期せぬときに起こります。たまたま、空いているときに相続が起きることを踏まえると、借家は貸家建付地でありながら、借家としてのマイナス評価が受けられないリスクが高いのです。

また、賃貸経営という面からも借家を一軒建てたのでは、入居者が退居してしまうと次の入居者が決まるまで家賃が0となり、収支を安定させるのが困難となります。

■長期的視点では賃貸マンションが有利

では、アパートと賃貸マンションでは、相続税対策で経営していくのに、どちらが有利なのでしょうか。

アパートは、建設コストが安く、新築時には利回りが賃貸マンションに比べて高いですが、アパートは経年劣化が早く、適切なメンテナンスを行なうことで、収益不動産として維持しやすいのは賃貸マンションです。また、火災保険料は耐火性能の高いマンションの方が安く、火災が起こると、アパートは全焼してしまう恐れがあります。地震が起きたときの被害もアパートの方が大きいことが想定されます。

実際には賃貸マンションとアパートでは、初期投資に掛かる建設コストに大きな差がありますので、比較するのは難しいかもしれません。しかし、相続税対策だけではなく、賃貸経営にも主眼をおいて、何を選択するか考えていくことが大切です。