相続税対策として土地を譲渡するとき、そのまま売却したのでは売りにくく、不利なケースがあります。費用を掛けて売却の準備をすることで、相続税対策として有利に働くこともあるのです。
■広大地は宅地造成して売る
広大地とは戸建て住宅用の土地で、広すぎるために売却しづらい土地をいい、相続税の算定では最大で65%の評価減を受けられます。広大地として認められるのは、市街化区域では三大都市圏で500㎡以上、それ以外の地域では1000㎡以上の広さがあり、開発にあたって道路や公園などを提供する必要があり、マンション適地ではない場合です。
実際に広大地として認定を受けられるような土地は、所有する土地の一部に道路をつくる必要があるなど、「潰れ地」といわれる土地が発生します。しかし、税務署の広大地としての評価基準が曖昧なため、広大地として認められるかは税理士や不動産鑑定士の力量による部分もあります。
そこで、相続で広大地としての評価を受けることを前提とするよりも、開発を進めて宅地造成することで売却価格が上がるのであれば、譲渡した方が有利なケースもあります。税理士や不動産のプロに相談してみましょう。
■古いアパートやマンションはリフォームしておく
古いアパートやマンションの建つ土地は、収益の面から建物の価値が評価されず、売却しづらいですが、リフォームしておくことで、投資利回りが上がり、売りやすくなります。相続後にリフォームをするための資金には、相続税が掛かってしまうため、生前にリフォームをすることで、相続する資産を減らせることもメリットです。
また、リフォームをしても、固定資産税や相続税の評価額は変わらないことがほとんどです。修繕が必要なアパートやマンション、貸しビルなどの収益不動産は、譲渡に備えて生前にリフォームをしておきましょう。
相続はいつ起こるかわからず、突然やってくるものです。相続を有利に行うためには、相続税対策として売却をするか、売却しやすいように準備を進めておくことが大切です。