相続税対策では相続税の算定で不利な土地を譲渡し、収益を生み出す相続税対策に有利な土地を買うのがおすすめです。売却するべき土地と購入するべき土地は、どういったものなのでしょうか。
■実勢価格よりも相続税の評価額が高い土地は売却
相続税の支払いのために、相続が始まってから譲渡しようとしても、売りにくい土地はなかなか売却できません。特に、実際の土地の価値に対して、相続税が高い土地が相続税対策として売却を考える対象となります。
相続税の算定は路線価をもとにして行なわれ、一般的には実勢価格の8割ほどですが、路線価よりも実勢価格が低い土地が存在します。
また、借地人に借地権を設定した底地は、相続税の評価額は底地割合や契約形態によって異なりますが、実勢価格の30%~40%ほどです。しかし、底地を借地権のついた状態で底地の専門業者に売却しようとすると、借地権者の権利が保護されていることから、実勢価格の10~15%程度にしかなりません。借地権者に売却をする、借地権と底地の一部交換をする、更地にして第三者に売却するという選択肢が考えられますが、数年以上を必要とします。
こうした土地は流動性が低く、買い叩かれないためには、早めに譲渡できるよう動くことが大切です。
■都心や主要駅に近い土地を購入し賃貸経営
では、反対に購入しておくべき土地としてはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
都心や主要駅に近い土地では、アパートや賃貸マンション、貸ビルなど収益不動産を建てるのに向いています。不要な土地を処分して得た代金を現金として保有せず、土地を購入することで、相続税の評価を下げるだけではなく、収益を老後の生活資金や相続税の支払い資金として活用が可能です。また、収益を上げられるだけではなく、流動性が高い土地ですので、何かあったときには売却がしやすいです。
小規模宅地等の特例で自宅不動産を適用の対象としない場合には、貸付事業用地として適用を受けられます。
相続が発生したら、納期限までの時間との勝負という側面もあります。相続税対策として、売りにくい不動産から処分していき、売りやすい不動産は最後に残しておくというように、
譲渡の順番も考慮しながら、相続税対策をしていきましょう。