相続税対策の不動産の購入でタワーマンションは有利?

相続税対策の不動産の購入でタワーマンションは有利?

国税庁は、2015年11月に相続税対策としてタワーマンションの購入による節税に対して、課税強化の方針を打ち出しました。それでも、タワーマンションの購入は相続税対策として人気が高いですが、相続税対策として特にタワーマンションが有利とされる理由は、どこにあるのでしょうか。

 

 

■タワーマンションの購入が相続税対策に有利な理由

相続税の課税対象となる不動産の評価額は、土地では路線価がもととなり地価の約80%、建物では建築費用の約50~60%という計算になります。現金で保有しているとそのまま相続税の課税対象額となることから、不動産で所有することで相続税対策となるのです。

 

さらに、所有する不動産を賃貸として運用すると、さらに相続税の評価額の軽減が受けられ、土地部分は15~18%、建物部分は30%も相続税の評価額が減り、相続税対策の効果が高まります。

 

不動産の中でもタワーマンションが相続税対策に有利な理由は、土地の面積当たりの戸数の多さと、階数による価格の違いの大きさによるものです。タワーマンションは多くの戸数があるため、一戸当たりの土地部分の評価額が小さく、相続税対策に有利となります。さらにタワーマンションでは高層階の方が販売価格は高いですが、相続税の評価額は同じです。そのため、相続税対策での不動産の購入では、タワーマンションの中でも高層階の効果が高くなるのです。

 

 

■相続税対策でのタワーマンション購入のデメリットは?

では、相続税対策としての不動産の購入で、タワーマンションを選択することにデメリットはないのでしょうか。

 

立地のよいタワーマンションの不動産価格は値崩れしにくい傾向にあり相続税対策向きであるものの、長期間の保有では価格下落リスクがあります。例えば、タワーマンションでは眺望がウリの一つですが、目の前に別のタワーマンションが立つと、不動産価格が大幅に下落する可能性が高まります。将来、眺望が妨げられるリスクが低い物件として、前面に公園や公共施設が立地しているなど、開発がされにくい敷地に立地しているマンションを購入することも大切です。

 

また、相続税対策としてローンを借り入れてタワーマンションを購入しても、負担付き贈与として、路線価をもとにした評価額ではなく、時価で課税対象額が決まります。

 

 

タワーマンションの購入や売却と相続のタイミングによっては、相続税対策として税金逃れのための不動産の購入と税務署に判断され、追徴課税の対象となります。相続税対策としてタワーマンションを購入する際にも、ある程度所有することを前提としましょう。