相続税対策で土地を売却するなら相続後3年10カ月以内が有利!

相続税対策で土地を売却するなら相続後3年10カ月以内が有利!

相続した土地をいずれ売却しようと考えているとき、相続税対策として「相続開始後3年10カ月以内」が有利とされています。相続開始後3年10カ月以内での土地の売却では、相続税対策としてどのような優遇措置が受けられるのでしょうか。

■相続開始後3年10カ月以内は相続税を取得費に加算

相続した土地を売却するタイミングの一つとして、「相続開始後3年10カ月以内」という時期が挙げられます。「相続開始後3年10カ月以内」というのは、相続税の申告期限である「相続開始後10カ月」から「3年以内」という意味です。土地を売却すると譲渡所得税が発生しますが、相続税を取得費に加算できるという特例が設けられています。

ただし、以前は全ての土地に対する相続税を加算できましたが、平成27年1月以降の相続では、売却した土地に対する相続税に限られるように改正されたため、メリットは薄れています。

譲渡所得の計算は、「売却代金-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得」です。取得費は土地を購入した金額ですが、相続によるもの等取得費が不明の場合は、原則として5%で計算されます。

譲渡所得税は保有期間によって税率が異なり、故人の所有期間と合わせて、所有期間が1月1日現在で5年を超えていると、長期譲渡所得として優遇され、税率は5%となります。

1億円で土地を売却し、取得費が500万円、譲渡費用が320万円、この土地の相続税として1070万円支払った例をみていきましょう。

(*2億円の遺産を子供2人で相続し、土地の路線価を8000万円と想定)

<相続税の取得費への加算がない場合>

{1億円-(500万円+320万円)}×20%=1836万円

 

<相続税の取得費への加算がある場合>

{1億円-(500万円+1070万円+320万円)}×20%=1622万円

 

相続税の取得費の加算によって、譲渡所得税は200万円以上も差が出ることになります。相続税として支払った金額を取得費に加算できるのは、相続開始後の3年10カ月以内の売却に限られますので、多額の相続税を支払った場合、相続税対策としてことで、3年10カ月以内の売却が選択肢となります。

■住んでいた土地なら、居住用財産特例が利用可能

ただし、居住用財産の特例として、住んでいる家や土地を住まなくなってから、3年目の年の12月31日までに売却した場合には、所有期間に関わらず、3000万円を控除できます。家を取り壊した場合には、取り壊しから1年以内に譲渡契約が結ばれていること、貸駐車場など他の用途で使用していないことが条件です。

例えば、親と住んでいた家と土地の売却で譲渡所得税が3000万円に満たない場合には、相続後3年10カ月以内というタイミングに、こだわる必要はありません。居住しなくなってからの売却までの期間の方が重要です。

実際に土地を売却する場合には、相続税対策としての3年10カ月というタイミングまでに行なうよりも、市況をみた方がよいケースもあります。景気が上向き傾向であれば、売却スルタイミングをじっくり待つ方がよいかもしれません。景気がこの先上向かない、もしくは下り基調であれば、なるべく早く売却するのもよいかもしれません。3年10カ月という時期を迎える前に、そもそも売却するかどうかの判断を今一度行なうようにしましょう。