相続税対策として養子縁組にデメリットはある?

相続税対策として養子縁組にデメリットはある?

相続税対策として養子縁組をすることで、相続税上、養子として算定できる人数は限られているものの、相続税の基礎控除額などを増やし、超過累進税率を緩和させる効果があります。では、養子縁組による相続税対策にデメリットはないのでしょうか。

■遺産相続がまとまらない可能性

相続税対策として養子縁組をした事実を他の相続人が知らなかったり、理解を得られなかったりした場合には、遺産分割協議が難航することがあります。例えば、兄弟のうち兄の嫁だけを養子とした場合、弟が反発するケースが想定されます。

相続税の申告期限は相続の開始から10カ月以内です。申告期限内に遺産分割協議がまとまらなくても、法定相続に基づいて相続税の支払いの義務は発生します。期限内に遺産分割協議が終わらないことで、受けられなくなる相続税の優遇措置もありますので注意が必要です。相続税の取得費加算の特例等は適用されなくなり、配偶者に対する税額軽減や小規模宅地の課税価格の低減は3年以内に遺産分割協議がまとまり、修正申告ができれば適用されます。

遺産分割協議がまとまらず、優遇措置を受けられないことで、養子縁組は相続税対策として逆効果となるケースもあります。養子縁組をしたら、相続人へ周知しておくとともに、遺言書を作成しておくことが大切です。

■養子縁組は日常生活にも影響

相続税対策で養子縁組をすることによって、名字が変わるケースでは、仕事や日常生活で支障をきたす可能性があります。運転免許証やパスポート、健康保険証、年金手帳といった公的なものから、銀行の預金通帳、各種資格の登録まで氏名の変更を必要とするものが多く結構な労力を必要とします。日常生活への影響を考慮したうえで、相続税対策で養子縁組をすることについて熟慮してみましょう。

相続税対策としての養子縁組は、相続によるトラブルを生む可能性ありますので、慎重な判断が求められます。養子縁組に正当な理由があるか、相続税対策としての効果があるかを踏まえたうえで、弁護士や税理士などの専門家に相談しましょう。