相続税対策として、所有するアパートや賃貸マンションなど収益不動産の法人化を図るケースがみられます。土地や建物の法人への譲渡には資金が必要にも思えますが、一般的にはどのようなやり方で行われているのでしょうか。
■収益不動産の法人化は株主を相続人に
法人を設立する場合の出資者(株主)及び代表取締役等の役員は、相続人から選ぶ
ことがポイントとなります。
個人で賃貸事業を営む人の相続税対策として、収益不動産の法人化を行ない、法人で賃貸事業を行なう方法がとられています。所有する不動産で賃貸事業を個人で営んでいると、土地や建物に対する相続税だけではなく、賃料収入が貯まった現金も相続税の対象となります。
そこで、相続税対策として法人化し、設立する法人の株主を相続人となる妻や子とし、家賃収入を法人への収入とすると、非相続人の財産が増えずに済むのです。役員報酬として妻や子に支払いが可能となり、実質的な生前贈与として、相続税の支払いのための資金として活用することもできます。さらにメリットは生前贈与とみなされないことです。
■土地は個人所有、建物は法人所有
相続税対策として法人化し、不動産の賃貸事業を営むためには、収益不動産を法人へ譲渡する必要があります。しかし、法人への土地の譲渡は高額となるため、個人所有のままにしておいて、建物のみを法人に譲渡する方法が一般的です。建物の所有権だけを法人に移転することで、土地を利用する権利として、借地権が発生します。そのままでは、土地を売却しなくても、借地権を譲渡した譲渡所得に課税されてしまいますので、相続税対策として税務署に「土地の無償返還に関する届出」を提出します。
「土地の無償返還に関する届出」は、将来借地人である法人が無償で土地を返却することを約束するものです。借地権の権利金を支払うことなく、無償または低額の地代の設定が可能となります。「土地の無償返還に関する届出書」を提出することで、土地の評価額も80%となることもメリットです。
法人化に伴う建物の法人への譲渡に係る売却代金は、法人に返済資金がないため、15~20年の長期の返済とすることもできます。所有する不動産で賃貸マンションなどを経営している人は、法人化による相続税対策を検討してみましょう。







